アメリカの株式市場は世界最大の時価総額を持ち、建国当初から株価は右肩上がりの成長を続けています。その理由の一つとして、常に企業の新陳代謝が起こり、時代ごとに革新的な企業を生み出しています。
米国株式の代表的な株式指数は、鉄道・公共事業以外の工業株30銘柄で構成される「NYダウ」、NASDAQに上場している全銘柄を対象とした「NASDAQ総合指数」、NYSEとNASDAQに上場している大型株500銘柄を対象とした「S&P500」があります。
特にS&P500は選ばれている銘柄からも、米国を代表とする企業が選ばれています。そこで、この講座では、S&P500に採用されている銘柄を業種ごとに知ることにより、各業種の世界トップクラスの企業が何をしているのかをお伝えしていきます。
(出所:bloomberg)
長期的にヘルスケアセクターはS&P500を上回って推移しているのが分かります。医療という分野はなくてはならない分野で人口増・長寿化により需要が増え続けていること、医療技術の進歩や薬価の高騰など一人当たりの医療費単価も上昇していくことでしょう。それらの要因により今後も長期的に成長していく分野です。業界全体で見れば今後数十年は魅力的な分野であることは間違い無いでしょう。
更に特徴としては、利益の変動が少なく安定的に推移することが多く、景気にも左右されにくいことから一般的にディフェンシブセクターとされています。
『アラインテクノロジー ティッカー「ALGN」 安定性★★☆☆☆ 成長力 ★★★★☆
・企業概要
(出所 アラインテクノロジーHP
https://www.aligntech.com/about#who)
(出所 米国会社四季報 東洋経済)
歯列矯正器具メーカーでマウスピース型歯列矯正器具パイオニア。独自の3D画像化技術や3Dプリンティングなどを組み合わせ矯正歯科業界に革命を起こして成長した企業です。時価総額は約240億ドル、日本円で約2兆5,000億円です。
・企業の注目ポイント
2011年にデジタルスキャナーiTeroを買収し、欧州・中東・アフリカ・ブラジルで相次ぎ買収を行いました。デジタルスキャン買収により、デジタル化された幅広いソリューションを武器に世界的に成長しています。
・業績ポイント
(出所 アラインテクノロジーHPhttp://investor.aligntech.com/news-releases/news-release-details/align-technology-announces-second-quarter-2020-financial-results)
2020年7月発表の決算では、売上・利益共に前年同期比で大きく減少しました。(売上41.3%減・利益39.9%減)北米・ヨーロッパの売上比率が高くコロナの影響を大きく受けました。
・注意点
来期以降、業績は回復する予想ですがコロナの第2波などが長引いた場合、業績が大きくブレる可能性があるので注意が必要です。
ベクトン・ディッキンソン ティッカー「BDX」 安定性★★★☆☆ 成長力 ★★★★☆
・企業概要
(出所 日本BD HP
https://www.bdj.co.jp/aboutbdj/100nen/1f3pro00000rin4g.html)
(出所 米国会社四季報 東洋経済)
注射器・注射針・ステーテル等の医療用品が主軸の医療機器メーカーです。検体採取や採血の他、検査用機器・試薬の製造・販売も展開しています。創業1897年と非常に歴史のある会社です。時価総額は約750億ドル、日本円で約7兆9,000億円です。
・企業の注目ポイント
現在新型コロナのPCR検査装置、検出試薬を販売しています。検査キットは米国で4/18に緊急使用許可を得て販売されています。各国が検査体制を増強する中で今後は更にニーズが高まる可能性は高いのではないでしょうか。企業拡大する中で多くの企業を買収しながら成長している企業です。
・業績ポイント
2020年8月発表の第3四半期の決算ではコロナの影響で手術が遅延したことなどにより売上が予想を下回りました。一方で48年連続増配を行なっており連続増配銘柄としても有名です。今後も安定的な配当は期待できるのではないでしょうか。
https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKCN25239N)
・注意点
企業再編によるM&Aが活発な業界ですので今後企業買収のニュースなどが出てきた場合、株価が大きく変動する可能性がありますので注意が必要です。
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